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今日は物性談話会で京大の藤本先生のご講演。イントロのところで頑張って質問するも、後半は撃沈。話の流れはRVBだったかな?なんかスピンをシングレットとかみたいに見るモデルがあって、それで説明できるんじゃないかって注目されている現象(というか物質)がある。それをσモデルに縦方向のゆらぎを加えて考えたモデルを使って、そこに非摂動的に繰り込み群からアプローチしようと言うもの。やっていることはすごく技巧的で、特に後半は式がごちゃごちゃしててとても終えたものじゃなかった。研究に対してではなくあくまでも私個人の意見だが、あぁいうのを見せられると物性物理も転換期なのではないかと思う。あれだけテクニカルな計算をしていて、計算手法自体はすごくきれいなのに、モデルはと言えば何年も前のモデルを抜け切れずにいる。もちろん既存のモデルでも、そのモデルで多様な物理現象を説明できるものもあるし、それに対しいろんなアプローチを仕掛けて物性の一側面に迫ったりすることは有意義ではある。ただ、新たな現象に対して何でも既存のモデルを使って説明しようとするよりは、もっと自由にモデルを提唱したりという方が楽しいと考える。もちろん、既存のモデルが物性物理何十年の淘汰を経てきて残っている結果なのかもしれないが。
研究者、というよりは、人間誰しも今まで自分がやってきたことを否定される(or否定する)ことはつらいことである。自分がやってきたことを否定することは、その人の人格や存在に関してもまでも否定をすることにもなりかねるからである。それゆえ研究者においても、大学院生生活何年間で勉強してきたこと習得してきた技術というのは捨てきれないものであろう。ただ研究に至っては、これまで勉強してきたことさえ捨てることも覚悟しないといけないときもあると思う。もちろん、今まで培ってきた研究手法でがんがんやっつけていくと言うことも出来ようが、それでは攻め方が単調で自由な発想が出来ないのではないか。いつか中川先生に研究のオチのつけ方について尋ねたところ「いつもオチのつけ方は悩む。自分の得意技みたいなものができても、今度はそれを壊そうともする。」というようなことをおっしゃっていた。なかなか過激なことを言うなとそのときは思ったが、自由な発想と言う意味では、そういうスタンスにおいてのみうまれうるものなのかもしれない。
もちろん、量子スピン系の否定をしようというわけでもなく、藤本先生の仕事に関して毛頭否定しようという気もないし、現段階では否定は決して出来ない。私なんかよりも研究者としてはずっと先輩でもあるし、実力もはるかに上であろうから。ただ、注目すべき現象は物性においてだけではない、生物や社会現象などもっと広い範囲であるのだから、それに固執する必要は無いのではないかとは思うときがある。もちろん、固体物性が面白いと言うことでやっているというのであれば、そんなこと示唆する必要もまったくないし、というか示唆する資格すらないとも思うが。現時点では名刺(研究結果)すらもたない研究者にしか過ぎないわけだから。
今日は他にもいろいろ書きたかったが、夜も深けてきたのでここまで。
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